腎陰虚を治す87番六味丸に
足を温める桂枝と附子を加えたもの
<ポイント>
① 陰虚に加え、陽虚(下半身の冷え・しびれ・坐骨神経痛・筋力低下、口渇など)を伴う方の代表的な処方。
② 陰が少なくなる40歳以降の方によく用いる。
③ 陰虚の治療には時間がかかるため、諸症状が安定してから用いることが多い。
④ 配合生薬の地黄が胃もたれを生じさせることがあり、その場合は食後に内服することで改善することが多い。
それでも改善しない場合は、地黄を何首烏(カシュウ)に変え、縮砂(シュクシャ)を加えるなどする。
ただし、保険適応のエキス剤がないため、煎じ薬にするか5番安中散などを加えて内服して対応する。
⑤ 花粉症で目のかゆいタイプや夕方以降の症状が強い冷え性の人にも用いる。
<配合生薬>
地黄(ジオウ)、 山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子末(ブシマツ)