「当院の理念」
当院は保険診療(医療費の0割〜3割を負担する一般的な医療)のみを行うクリニックです。美容やアンチエイジングなどに見られる自由診療(10割負担)は行っておりません。
院長の伊達は日本医科大学にて西洋医学と東洋医学を学生時代から学び、大学卒業後は西洋医として、一般的な病院で内科、外科の研修を積み、その後救急医として、主に西洋医学の分野で総合診療を続ける中で、西洋医学の多くが症状を取るだけの治療、つまり「対症療法」でしかないことに問題を感じ、東洋医学、主に漢方治療を西洋医学に合わせて併用するようになりました。その結果として、現在の一般的な患者さんの日常的な医療の8割以上は、東洋医学、特に漢方薬の治療を用いるのが適切な医療であるという結論に至り、そういった医療を実践してきました。当院の目指す理想の医療は西洋医学や東洋医学、あるいはその他の医学を適切に併用していく医学です。
「対症療法とは何か?」
例えば、頭痛や肩こり、生理痛、めまい、便秘、下痢、不眠、自律神経失調症などの一般的によく見られる症状は、多くの場合、西洋医学的な検査では異常を認めることがありません。つまり科学的には体内に出る、あるいは不足している物質などは分かっているのですが、何故そういった物質的な異常が生じているのかという根本原因まではまだ解明されていないのです。西洋医学は科学に基づいている医学なので、検査に異常のない場合は治療方法がほとんどありません。ですから痛みに対しては痛み止め、便秘に対しては下剤といった症状を取り除くための薬を処方し、それでもよくならなければ免疫抑制剤であるステロイドを使うといった治療法が世界中の至るところで行われています。
ところが、これらの治療は症状を一時的に取り除くだけなので、その症状が生じている根本的な原因を治療していません。ですから一生涯飲み続けなければならない薬がどんどん増えていきます。
では、どうやってそれらの症状を治して行くのでしょうか。実はこのような症状の一つ一つは、ほとんどの場合が食事や生活の乱れに原因があり、言葉を持たない私たちの身体からのメッセージなのです。ですから当院ではそれらの原因について食事や生活の指導を心がけています。また漢方診療では患者さんに内服していただき、効果のあった漢方薬から逆説的にその患者さんの生活上の問題が明らかになって行くということが良くあります。そういったことからも生活上の指導をしていくことで最終的には漢方薬もやめていくことが出来るようになってきます。
もちろん、患者さんにとって症状はつらいものですし、そのつらい症状を取り去ることはとても重要ですし、対症療法以外にも抗生物質など西洋医学にも優れた部分はたくさんあります。例えば抗生剤を始め、睡眠薬や抗不安薬、降圧薬、免疫抑制剤などは時にはとても効果的で必要な医学です。ただ、現在の医療はそういった症状を一時的になくす対症療法が主体で根本原因を治療する医療が不足していることも確かな事実なので、症状だけを取っている間に原因がどんどん大きくなってしまい、薬の量が増え、さらにはその薬の副作用に悩まされ、また薬が増えてしまう。という方が大勢いらっしゃいます。