新型コロナ対策の漢方薬

 

 新型コロナウイルス感染症に対する漢方治療は以下の3つが基本です。日本における現状の保険適応の漢方薬は、飽食の時代以前の漢方薬なので、本場中国で用いられているインフルエンザや新型コロナ感染症に対する治療薬を当院では作成しました(新興感染症には漢方薬を)。銀翹散はネットなどでご購入ください。

 

玉屏風散(ぎょくへいふうさん)

 新型コロナに限らず、インフルエンザなども含めた「カゼ」の予防薬です。年間通して風邪をひかなくなりますが、特に乾燥で粘膜面の弱る冬の感冒予防に効果を発揮します。デルタ株のような夏の感染症には、熱を発散するような漢方薬の併用などが必要になることも多いですが、粘膜面の防御力を高めて感冒を防いでくれます。いまのところ、デルタ株の家庭内感染に対しても、家族で1日4回の内服をした方の家庭内感染は一例も出ていません。家族の誰かに咳や発熱などの感冒症状が出た場合には、1日4回の内服をすることをお勧めいたします。

 

銀翹散(ぎんぎょうさん)

 この薬は中国でもっとも売れている風邪薬として、主にのどの痛い風邪に対して用いられています。僕自身も常に持ち歩いている漢方薬のひとつです。玉屏風散で予防はしていたけど、ちょっと風邪っぽいなぁという時には、銀翹散をつかってください。アレルギー初期などにも有効です。名前のとおり本来は散剤(生薬を粉末にしたもの)ですが、クラシエなどのエキス製剤の銀翹散でも十分な効果があります(銀翹散のホンモノをつくりたいと思っています)。あやしいときは1日3回ご内服ください。感冒初期の薬なので、熱っぽい症状のときは、5日程度は内服し続けても良いでしょう。玉屏風散との併用でより効果が高まります。いまのところはAmazonが一番安そうです(773円/3日分)。

 

双黄連(そうおうれん)

 新型コロナ感染症、特にデルタ株では、発熱が4、5日続くと重症化し、入院となる方が増えています。双黄連はもともと帯状疱疹(ヘルペスウイルスが原因の顔や脇腹などにできる痛みを伴う湿疹など)や口内炎などのウイルス性の疾患の薬です。抗ウイルス作用と、免疫が過剰に反応してしまうことによるサイトカインストームなどを防ぎます。新型コロナだけではなく、インフルエンザなどのウイルス性の感冒(感冒の8割以上はウイルス性す)に対して有効なので、突然の38度以上の発熱で、のどが痛い風邪や、熱感が強い風邪の初期には双黄連をお使いください。アレルギーや高血圧、ワクチンの副作用の症状改善などにも効果があります。当院で作成している双黄連であれば、入浴などによって増悪する軽いアレルギーなどの症状の時には1袋を半日程度かけてご内服ください。感冒による発熱が38度以上になる場合などは、2袋を煎じてご内服ください。銀翹散や玉屏風散を併用することでより効果が高まります。からだを冷やす処方ですので、寒気でくしゃみが出るなどの場合は、双黄連の内服を終了してください。

 

 その他、寒気が強ければ葛根湯をお使いいただき、しっかりと発熱をして発汗するまで、長くても3日程度までは上記の漢方薬と併用可能です。下痢がある場合は、藿香正気散(かっこうしょうきさん)や、114柴苓湯も併用可能です。

 

 院外の患者さんにも玉屏風散と双黄連が処方できるように、10月中盤から遠隔診療を行う予定です。それ以前に処方をご希望の方は、メール(contact@tsuyukusa.tokyo)にてお問い合わせください。電話診察による処方が可能です。双黄連(1500円/5日分)玉屏風散(4500円/30日分)です。