大晦日を迎えて、感染者数が過去最多と、メディアは報道していますが、この冬の感染者数増加は、コロナ禍発生当初から予測できていたことです。

 新型コロナウイルスは、実際の物質としての病理的な重大性よりも、情報としての社会的な反応のほうが大きくなることも、当初から予想できていたことでした。監視と情報が膨れ上がる一方の現代社会の中で、新型コロナによる人類の錯乱は、アレルギー疾患に対して対症療法だけを繰り返す現代医療のあり方そのものです。何度も書いてきたように、コロナ禍において一番大切なことは、感染者の数を正確に把握することではありません。現段階の状況下で、今の人類にできる最善の対策は、病理学的意義以上の反応に対する医療崩壊を防ぐこと。つまり、重症化リスクの極めて低い30歳以下(僕は50歳以下としても良いと思っています)は、すぐに病院へ行かず、風邪をひいたら「自分はコロナだ!」と自覚して、他人と接触せずに自力で風邪を治すこと。治ってもすぐに人前でしゃべらないこと。3日経っても改善の傾向がなかったら病院へ行くこと。それをみんなで共有することだと考えています。もちろんそのルールのせいで亡くなってしまう方もいるかもしれませんが、その可能性は現状のところすごく低いし、このままで医療崩壊することによってもたらされる被害よりも確実に少ないです。

 感染者数の増大に怯え、診断だけのために、感染拡大のリスクと、限りある医療資源や人材の消耗を犠牲にしてまで、この寒い中に、治療法のない病院へ通院することは、体力や免疫力を失う以外の何者でもありません。

 巷では、マスク反対運動をしている方々がいるようです。最近はその方々と僕が一緒にみられることがありますが、それは大きな誤解なので、この場をもって弁解をさせてください。僕はマスクをするなと言ったことは一度もないですし、手洗いや換気に関しては、僕自身も人並み以上にはしています。ただ、大人数の集会での会話などの特殊な状況以外は、マスクによる感染予防のメリットよりは、猿と人間の一番の違いである「笑顔」の喪失や、免疫学的に重要な鼻呼吸の減弱、視覚的閉塞感に伴う抑うつや不安感の増大のほうが、よっぽど大きく健康を損ねることになるだろう。ということを訴えてきたのです。僕自身も当初から、人混みの中に入って自分が言葉を発するようなときは、マスクをするようにしてきました。もちろん、その時は、生命維持や感染予防にとって重要な鼻は、極力出しています。けれど、言葉も発しない路上や、すでに濃厚接触関係にある家族だけが乗る車内でもマスクをしているのは、健康にとって良くない可能性もありませんか?とメッセージを発信してきました。

 地球は風邪をひいている。と言いましたが、現在の地球の免疫細胞である人類は、抗原に対する過剰反応をしています。特に日本においては、実際の死亡者数からみる病理学的なウイルスの重大度は、それほど高くないのが現状です。スギに対する花粉症があるからといって、花粉から逃げ続けるだけでは花粉症は治りません。花粉症が重症化する原因が、食事や睡眠といった生活の中にあります。それを治すことに目を向けられずに、花粉から身を遠ざけ、症状を押さえ込むための対症療法ばかりをしているのが、現代医療です。それは「部分」だけをみる科学の特性であり、脆弱性なのです。科学や情報が無用なのではなく、その能力と限界を適性に認知して、いまできることをしっかりと意識的にすることこそが一番大切なことなのです。感染者数に怯えているだけでは、これからの行末が不安に包まれ、自殺をする方が増えるような報道も、情報に対する人類の社会的な過剰免疫反応であって、SARS-CoV-2というウイルスによる物質的な反応ではないのです。

 COVID-19を軽視しているのではありません。死亡者も増え、怖い病であることは間違いがありませんが、このコロナ禍の収束は、ウイルスに対する感染者が減ることではないと思っています。来年の冬も、再来年の冬も、今年より多くなるか否かはわかりませんが、COVID-19の流行は、インフルエンザウイルスのように続くでしょう。それはもはや仕方のないことです。コロナ禍の収束は、そうした地球全体の過剰反応が収束する時だと僕は思っています。新型コロナウイルスの蔓延は、人類が小手先で距離をとるとか、マスクするとか、そういう次元の話ではありません。人間のひとつの死因として、新たに発生した病です。病には原因があります。

 自分は良くても、他者に感染させることを心配されている方が多いと思います。重症化のリスクや、高齢者に接する機会のある人、多くの人と大声で会話を交わすことが多い人は特に、風邪をひかないように体調管理をすることに全力を尽くすべきです。テレビで感染者数を見て一喜一憂する時間があるならば、しっかりとした食事を丁寧につくって、家族や友人との貴重な時間を全力で楽しみ祝い、明日のために一刻でも早く寝ましょう。

 今年も多くの方々のおかげで、こうして年末を迎えることができました。信じることを忘れて監視し合い、誰が良い悪いなんて小さな話をするのはもうやめにして、お互いに力を合わせる時代に少しでも方向転換できればいいのになぁと願っています。

 来年は、自分も人類も、今年より成長できる年になれればいいなぁと、いつになく意気込んでいます。今年もありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。