日頃よりお世話になっております。つゆくさ医院の伊達伯欣です。今回は、日頃お世話になっている方々への医療対応についてお伝えしたいことがあります。

 当院では、西洋医学と東洋医学を中心とした総合的な治療を行うため、アレルギー疾患から癌、各種痛みや精神疾患、不妊・更年期障害、子供の発達障害に至るまで、ほぼ全ての疾患の患者さんがご来院されております。その関係もあり、開院以来、知人・友人・親戚・家族から、毎週のように病気の相談のご連絡をいただくようになりました。医師としては光栄なことですし、当初はお答えしていたのですが、開院1年半を経過して許容範囲を超えてしまったこと、またトラブルが免れないであろうということから、親戚・家族でも個人的な医療に関わるお話は、必ず診察室でしかしないことに徹底させていただく方針に致しました。この方針は、お互いの人生にとって、また医療にとってとても重要なことだと考えております。何卒ご了承いただけますと幸いです。

 医療に携わる中で、痛切に感じることは、知人の方でも、他の患者さんと同様、診察室で顔を合わせて診察をさせていただくことの重要性です。

 当然のことですが、人間の病は身体のみでなく、精神や生活環境といった様々な要素が、非常に深く関係しあって生じています。その中で、病を「自分で治そう」とする患者さん自身の意志に基づく自然治癒力、またそれに対して応えようとする医師の心構えが、より高い治療効果を発揮するためには不可欠なものです。これはコミュニケーションにおける言葉の重要性が三割程度だという心理学的な関係性とも類似しています。

 知人であれ、一般の患者さんであれ、その治療原則は変わるものではありません。

 ところが、小生の未熟さもあいまって、医師患者関係の構築以前に、知人・友人の関係があると、その重要な部分が希薄になり、治療がうまく行かないことが通常以上に多く生じてしまいます。通常の診察では、季節や症状の変化に応じて、ほぼ毎回、処方する漢方薬が変わるのが僕の診療の特徴です。メールや電話での診察は医師としての直感力も働きにくくなります。診察室以外の場所、時には酩酊状態での集中力にかける無責任な診察で、重大な病を見逃してしまうこともあります。診察室で診察することは、医師としての責任感や集中力にも、深く関わって来ます。

 本来であれば、自分の経験や知識を、診察料などもなく、より多くの方にお伝えできればと切に思っています。特に友人や家族に至ればなおさらのことです。しかし、医療においては、友情や家族愛といった私情が悪く作用することがほとんどです。大切な方だからこそ、私情は除いて、他の患者さんと同様、医師としていつも通りの適切な診断と治療をするべきだと考えています。そのため、特別な状況を除き、診療契約や診療時間などを、他の患者さんと全く同様にさせていただいております。診察ごとの問診票の記入なども必ず詳細に記載していただいております。そういった一つ一つの営みが、お互いの医療と関係性にとって、欠かせないことだということを僕は痛感し、今後徹底して行く方針でおります。

 

 音楽の演奏にも準備や場所が重要であるように、医療においても準備と場所が重要です。皆さまにはご足労をおかけ致しまして、誠に心苦しいばかりですが、医療の質を下げることなく、巡り会えたご縁をより良いものにするためにも、何卒ご了承ください。

 

 また、個人用メールアドレスへのお問い合わせは、小生の粗雑な気質もあり、ご返信や処方が遅れてしまうというトラブルがよく起こります。医療に関するご質問などは、全て病院宛のcontact@tsuyukusa.tokyoにご連絡いただけますようお願い致します。

 

 皆さまのより健康的な人生を切に願っております。

 未熟な限りですが、これからも日々精進して参りますので、ご指導のほどよろしくお願い致します。

 

              平成二十八年四月一〇日

                  つゆくさ医院 院長 伊達伯欣 拝

 

<要約>

① 医療の質の低下を避けるため、いかなる個人的な関係があっても、医療に関しては他の患者さんと同様のご対応をさせてください。

② 特別な事情のない限り、1ヶ月〜3ヶ月ごとの定期的なご来院、および詳細な問診票の作成をお願い致します。
  遠方の方は遠隔診療をご利用ください。

③ 診察室以外での個人的な医療相談はお控えいただけますと幸いです。

 また、ご相談の際は、病院宛のcontact@tsuyukusa.tokyoにご連絡いただけますようよろしくお願い致します。