過敏性腸症候群(緊張で腹痛や下痢になる症状)を

改善するための漢方薬

血虚によるフラッシュバックも改善する

<ポイント>

① 体を温めて緊張をほぐす過敏性腸症候群の代表的な処方。

② 虚証の風邪に用いる桂枝湯(https://tsuyukusa.tokyo/?p=1298)と配合生薬は同じだが、体内の津液を補う芍薬の量が倍になっており、桂枝によって温めることによる津液の不足を補っている。

③ 虚弱体質で、腹部膨満感があり、ふだんから胃腸が弱い人の下痢や便秘にも用いられる。便秘が強い場合にはこれに便通をよくする大黄が加わった134番 桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)を用いる。
  そのため下痢が強いタイプには桂枝加芍薬湯を主に用いる。ただし、陰虚体質の慢性的な便秘や、大黄を使いにくい高齢者や妊娠中の便秘にも用いることがある。

④ 腹部の膨満感や、頻繁(ひんぱん)に便意をもよおすのに少ししか便が出ないしぶり腹にも有効です。開腹手術後で腹部膨満感のある時や便通異常にも用いられる。

⑤ 精神科領域では、四物湯を中心とした血虚を補う漢方薬と共に用いることで、フラッシュバックなどの自己制御不能な不快な感情の抑制にも効果を発揮するため、抗うつ薬や抗不安薬などの減量の際にはよく用いられる。

<配合生薬>

芍薬(シャクヤク)、桂皮(ケイヒ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)