「肝」の高ぶりを抑え
イライラなどの感情を制御しやすくなる
特に歯ぎしりや食いしばりがある体質の人
認知症にも用いられる。
<ポイント>
① 感情や気の流れを調整する「肝(かん)」の機能が落ちると、怒りやイライラが現れ、「抑肝散」はこの「肝」の高ぶりを抑える漢方薬。
② もともと子どもの夜泣き、疳(かん)の虫に使われていた薬で、大人の神経症状、特に高齢者の認知症(記憶の長さが短くなる状態)に伴うイライラの改善にも使われる。
③ 体力は中程度で、怒りっぽい、興奮しやすい、イライラする人に用いられ、特に歯ぎしりや食いしばりがある体質の人に用いられる。
④ 子どもの夜泣き、かんしゃく(神経過敏)や、けいれん・幻聴・幻覚などにも用いられる
⑤ 認知症や集中治療室や入院でのせん妄状態にも用いられ、すぐ怒る症状の改善に効果がある。
⑥ 肝の不調が長引くと、気の流れが悪くなり、気滞(きたい)という症状を伴うことがあり、その際には半夏と陳皮を加えた83番を用いる。
気滞:のどのつまり、お腹の張り、ガス、不安、食欲不振、痰・咳など流れが悪いなどの症状。長期化すると舌には膩苔(じたい)という厚い苔が付着することもある。
<配合生薬>
当帰(トウキ)、 釣藤鈎(チョウトウコウ)、川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)
83は陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)を加えたもの