世の中のすべては陰陽の法則で成り立っています。

 

人間の健康も病も

一本の茶柱が

温かいお湯に揺られて浮かんでいるように

動的平衡の中で

右へ行ったり左へ行ったりして揺れ動いています。

 

世の中のどんなものごとにも

良い側面と悪い側面があります。

 

もっと言えば

良い悪いという考え方は

そのほとんどが

人間がつくりだしている思考でしかありません。

 

それにも関わらず、

ほとんどの人は

そのことについて悩んでいるのです。

 

 

だから、どんなことに対しても

自分自身のその事柄への関わり方次第で

ひとつのことが

良いことになったり

悪いことになったり

するのです。

 

ナイフという一つのものも

良くなったり悪くなったりするのは

人の使い方次第なのです。

 

例えば、トラウマ(心的外傷)というのも

実際にはその人の記憶の中にあるだけで

そこに「ある」わけではありません。

 

けれど、それをトラウマと認識している当の本人は

そのことを「悪いこと!」と決めつけているから

その記憶がトラウマになっているのです。

 

 

まだどんな出来事も

現時点では

「良かったこと」なのか
「悪かったこと」なのか

は決まっていません。

どんな出来事も

これからの生き方によって

良かったことになるのか

悪かったことになるのか

ということが決まります。

 

 

今回の新型コロナ騒動では、

その到来によって

人生が
「悪くなった」と感じている人と
「良くなった」と感じている人が
極端に別れています。

 

前者のタイプの人は
今、極端に落ち込んでいて
元気を失っています。

その方たちの傾向としては

まず、自分も家族も
「かからない」ために何をすれば良いのか
ということのための情報収集に勤しんでいます。

またCOVIDによって
もたらされるかもしれない
「悪いこと」
の情報を必死になって集めている方が多いです。

 

僕は政治家でも科学研究者でもなく

臨床家なので、

今後どうなるのかということよりも

目の前の患者さんが

いかに不安から解放され

現在をより健康に生活していただけるか

ということを中心に考えています。

 

 

その中で、未来に対する不安な情報に
振り回されて
ややもすると他人を監視し
悪者探しまでしてしまっている方には
新型コロナの「良い面」に目を向けてみていただきたいです。

 

ご存知の方も多いと思うのですが、

COVID-19の到来が
世の中にとって
「良いこと」も
実はたくさんあります。

まず、大きなところで挙げれば
大気汚染が数十年ぶりに
地球規模で改善しています。

大気汚染によって年間700万人が命を落としている。

中国は120万人で
今回のロックダウンの短い時期だけの環境改善で
5〜7万人の命が救われたという説があるのは
ご存知の方も多いと思います。

また花粉症をお持ちの方は

「今年の花粉症が軽かった」

という方も多いと思います。

その要因には、

中国の工場が止まり、
PM2.5が飛んでこなかった。

ということも関係している可能性が高いです。

また大気中のPM2.5の濃度と
COVID-19の死亡率が相関していることも
報告されています。

 

さらに顕著なのは

あの、「異常なまでの満員電車!」は

COVID-19の到来であっという間に解消され

テレワークの促進化につながりました。

飲食店の営業が早くなったことで

世界中の睡眠時間が改善されています。

 

そうした世界的な大きな動きとともに

皆さんのそれぞれの生活の中で

「良くなった」部分に目を向けてみてください。

 

家族と会える時間が増えた。

今まで忙しくしていたのが、実は全部不要不急だった

登校拒否だった子が、学校に行きたくなっていたり

料理をするようになったり

映画や読書をする時間が増えた。

 

生きていれば、

嫌なことや悪いこと、

自分に「ないもの・失うもの」

は無限にあります。

それが「不満」です。

 

一方で

自分に「あるもの・与えられるもの」

というものに目を向け

感謝や喜びが生まれると

人は「満足」し、

健康になります。

 

悪いことや情報が目の前に来たとき

それが自分にコントロールできないことであれば

自分に「あるもの・与えられるもの」に

目を向けてみてください。

 

 

未来の不安のために

現在を犠牲にしない。