新型コロナウイルス(COVID-19)の流行に対して、多くの方が不適切な不安を抱いて不健康になられています。不安は生物にとって必要なことですが、過度な不安は心身を緊張させ、免疫力である「気」を弱めてしまいます。「病は気から」という言葉がありますが、怯えすぎること自体が健康を害する可能性が高いということを忘れないでください。

 まず、COVID-19に関する「情報」に接する場合は、「まだ誰にも確かなことは分からない」ということをしっかりと念頭においてください。政府や報道あるいは医師が警告を出す背景には、楽観的なことを言うと責任を問われてしまうということがあります。それは仕方ないことでもありますし、指示には従いましょう。ここではさまざまな「情報」に対する適切な対応方法を考えていきます。

 一番大切なことは、「情報」が不確かな時ほど、自分の「野性」を大切にすることです。「好き」「嫌い」という自分自身の感性、つまり野生の動物が持っている野性がなくなると、判断材料が情報だけに頼ることになるので、情報に支配されてしまいます。前回はその象徴的な行為がマスクであることも書きました。マスクをして怯えている方々は、マスクをすることが正しいか否かということよりも、自分自身が「情報」に支配されていないか?ということを再確認してください。マスクはある程度の効果があるかもしれませんが、口呼吸が多くなり、空気が本来の通り道ではない口という器官を通ってしまいます。また「気」が塞いでしまうという弊害もあります。自分にとって「心地よい状態」は何なのかということを大切にしてください。マスクをしている方が心地が良ければ、その方はマスクをした方が良いかもしれません。

 アレルギーに対する治療もそうですが、西洋医学では原因から身を遠ざけるか、対症療法をするかということをします。ところが、漢方治療では、そのアレルギー物質を摂取しても大丈夫な人と同じように、アレルゲンに対して過剰な反応をしない「体づくり」をします。COVID-19にしても、今のところ不安が渦巻いている中国以外の土地では致死率が1%未満との情報です。つまり現状では、ほとんどの人が治癒できる病です。ですから、自分の体を健康な状態に保つことが生活上もっとも重要なことであるということは変わりません。逆に言えば、COVID-19に対する確かな情報は、中国以外の「致死率」であるということを明確に意識してください。

 人間には、得体の知れない不安は、肥大化するという特性があります。不安であるものを直視しないようにすると、その不安は無限に大きくなってしまいます。その時には、自分の不安が正当なものなのかどうか、認知の歪みがないかどうかをしっかりと考えることで不安は抑制することができます。それが認知行動療法です。現段階で不安に怯えている方は、その度に「致死率はまだ低い」から「自分の健康状態をしっかり管理していれば大丈夫だ」と自分に語りかけてください。免疫抑制剤や抗アレルギー薬などの免疫力を無理矢理抑える薬を常用している方は、医師に相談しながら、漢方薬なども併用して、極力内服する免疫抑制薬を減らしましょう。アレルギーに関しても、新興感染症に関しても、西洋医学だけでなく、東洋医学の適切な利用が治療成績を向上させます。