最近、諸事情あって一時中断していた某出版社からの書籍の執筆を再開しました。
9月ぐらいにはできればと思っていましたが、1年半ぶりに再開したので、ほぼ書き直しという感じで、
そこに収載するのをやめた記事や、ここぐらいは掲載しても良いだろう。というものは、少しずつ更新するようにしていきます。
いま考えている本の題名は「人のしくみと世のしくみ」です。更年期障害・花粉症・高血圧などの東西の医学について書いています。
やっぱり陰陽トロピーの概念は、どちらが良い悪いではなく、西洋医学と東洋医学を使い分けるためには重要な概念だと思い直しています。
抗アレルギー薬は免疫抑制薬
純度(陰トロピー)の高い化学物質は、その効果も高いのですが、それを連用し続けていると、効果が強いだけに、必ずバランスが崩れていきます。花粉症予防に1月ぐらいから5月ぐらいまでアレグラなどの抗アレルギー薬という名の「免疫抑制薬」を延々と処方する医師がいますが、それは他に治療法を知らないためです。塩水療法を中心とした食養生だけでも、花粉症はほとんどの方が治癒に近い状態にまで整えることができます。当院で治療を続けている方のほとんど(今年は9割以上だと思います)は花粉症が年々軽くなり治癒します。
日本における2022年春の第6波のピークアウトが遅かったのは、花粉症シーズンで抗アレルギー薬の内服が増えたからだと僕は考えています。スギが終わって、ヒノキが飛び始めると、一度終息しそうだった感染者数が再上昇しました。花粉が鼻腔内に入ったときの免疫の初期反応を止めるので、ウイルスが入ったときの初期反応も止まってしまうので、抗アレルギー薬が感染拡大や重症化を助長するのは当たり前のことなのです。効いてるんだかなんだかわからないワクチンの促進や蔓延防止策が取られる中、テレビCMでは、救世主かのように免疫抑制薬の宣伝が流されているのです。花粉症は食養生だけでもほとんどが軽症になります。抗アレルギー薬は、それでも症状が強いときに一時的に用いるようにしましょう。
近代医学が対症療法の渦へと巻き込まれるきっかけとなったのが、ロキソニンやカロナールなどの解熱鎮痛薬です。ロキソニンの発売当初は、スーパードラッグとして胃腸炎などに至るまで、あらゆる治療に用いられていた時代がありました。痛みや発熱という症状は、人間の自然治癒力をひきだすために重要な生体反応です。後述しますが、風邪のときの発熱は、ウイルスが出しているものではなく、熱に弱いウイルスを倒すために人間のからだが頑張って発熱をしているものです。それを止めてしまうと、ウイルスを倒すことができずに、治癒が遅れてしまいます。つまり、解熱鎮痛薬も免疫抑制薬とも言えるのです。特にロキソニンやアレグラ、ステロイドなどの西洋薬は、自己免疫を強烈に妨害することで一時的に効果を出す免疫抑制薬です。それだけに副作用も多いのですが、その研究は、研究費を出してくれるスポンサーもほぼいないのでなかなか進みません。東洋医学ではこれらの免疫抑制薬によって、瘀血(おけつ)という状態を惹き起こし、血流が悪くなり、舌・唇・肌・顔といった場所が黒ずんできます。(詳細は次章)
人間に起こるさまざまな症状の背景には、食事や睡眠の乱れが関係していますが、そうした生活改善をしないままに、ただアレルギーを免疫抑制薬で抑えているだけでは、年々症状が悪くなっていきます。特に生理痛などは、漢方治療と食養生で治癒しない人はほとんどいませんが、鎮痛薬を気軽につかい続けていると、必ず悪化していきます。