新型コロナ感染時の対応法

 当院の患者さんでも、新型コロナの感染症が増えてきました。ご来院患者さん以外からの問い合わせも多く対応できていないので、ここにまとめることにしました。

 これまでの新型コロナでは、玉屏風散の1日2回内服である程度の感染を防げていましたが、変異株BA.5になってから、早めの銀翹散が必要になってきてしまいました。

 今後、家族などが感染した場合には、症状がなくても1日1回は銀翹散を予防として内服してください。銀翹散はもともとアレルギーなどにも使われてきた薬で、数ヶ月間定期内服をされる方もいる薬なので、1週間程度の内服でも副作用はほとんど起こりません。また、開院以来8年間、感冒と医療の品質に対する考え方から、当院の受付や2畳半の診察室で、ノーマスク・ノーワクチンで、年間のべ1万人を診察してきました。しかし、その中で、新型コロナに感染したスタッフがいないことの理由は、普段からの玉屏風散の内服に加え、少し怪しいときや、感冒症状のある患者さんの診察のあとに「早めの銀翹散」を適時内服していたからです。先日、成田の我が家に泊まりに来た小学生が、新型コロナを発症し、濃厚接触者(僕は調布にいました)として家族が自宅待機になりましたが、その際も普段の玉屏風散に加え、銀翹散の予防内服を1日1回3日間継続することで、僕の両親も含め5人すべて、ノーマスク・ノーワクチンで誰も発症しませんでした。西洋薬にはカゼ薬がひとつもありません。一方の漢方薬はカゼとの戦いの歴史が長く、その処方は多岐に渡ります。適切に漢方薬を使用して、カゼは自分で治しましょう。

 

 

 簡単に玉屏風散と銀翹散、そして双黄連の内服方法を再確認しておきましょう。

玉屏風散(ギョクヘイフウサン)

 玉屏風散は肺と腸の「気(≒免疫力)」を高め、カゼをひきにくくする漢方薬です。ボウフウという生薬を直接粉末にした散剤で、腸管粘膜面に軽い炎症を起こすことで、粘膜面の免疫を活性化します。この漢方薬の定期内服は、カゼをひきにくくするばかりではなく、新型コロナ感染に伴う嗅覚障害の軽減や、重症化を予防することに役立ちます。実際に、当院の患者さんで、コロナによる重症化や、半年以上継続するような後遺症が残っている方は、今のところ一人もいません(重症化して当院に来院されなくなった可能性はありますが)。

 また、感染後の嗅覚障害や咳嗽などの症状が残っている方にも玉屏風散は有効です。玉屏風散は感染時も感染後も症状の度合いによって1日1〜5回程度の内服をしていただくと良いです。市販薬もありますが、当院の玉屏風散は本来の散剤(市販薬はエキス剤)でもあり、価格も市場価格の半額以下なので、感染爆発の時期だけでも良いので、ご利用ください。

銀翹散(ギンギョウサン)

 中国ではカゼの初期には「とにかく銀翹散」という風潮があるようです。先日の上海ロックダウン時に市民に配られた薬も、銀翹散と同様の薬だったそうです。漢方薬の中では新しい200年前の薬(葛根湯は2000年前)ですが、飽食の時代のカゼには最も効果を示す薬です。とくに新型コロナ感染には効果を発揮します。体内の熱に起因するアレルギーなどにも使われる薬なので、虫刺されなどにも気軽に用いることができます。特にコロナやインフルエンザのようなウイルス性感冒は、鼻の奥で増殖するため、ノドの痛みや鼻炎などがある場合は、「早めの銀翹散」を忘れないでください。また症状がなくても、家族に感冒症状を認めたときは、予防的に内服することによって、鼻腔内に新型コロナウイルスが侵入していたとしても、活性化された免疫が、即座に反応してウイルスを除去するため、発症するまでには至りません。もちろん、適切な睡眠と食事による体調管理ができていなければ、それでも発症してしまうこともありますが、それでも症状を緩和してくれます。

 市販薬もありますが、これも本来の散剤(銀翹「散」)ではなくエキス製剤です。当院の銀翹散はホンモノで、市販薬とほぼ変わらない価格なので、常時から用意しておいていただくと良いと思います。ただし、市販薬でもしっかりと効果があるので、手元にホンモノがなくても、近くの薬局やネットで銀翹散を手に入れてご内服ください。

双黄連(ソウオウレン)

 双黄連はもともと帯状疱疹ヘルペスや口内炎といった、熱が原因となるウイルス性の疾患に対して用いる漢方薬です。新型コロナ感染時の解熱剤および抗ウイルス薬です。体に熱感があるときに内服してください。逆に寒気が強い場合には、麻黄湯や葛根湯を内服しましょう。

 ワクチン後の帯状疱疹が話題になっていますが、ワクチン後の副作用予防にも用いることができます。これは煎じ薬なので、30分程度煮たものを3回程度に分けて空腹時に内服してください。

 

西洋薬の内服について

 繰り返しになりますが、西洋薬にはカゼ薬がありません。西洋薬は症状をとるだけの対症療法が中心なので、原則として、一時的に症状を抑えるときのみに使用するようにしてください。症状が強く、飲食ができない、眠れない、呼吸困難になる。などの症状があるときです。ただし、最初の三日間は西洋薬の出番はほぼないでしょう。解熱剤や抗アレルギー薬の類は、免疫抑制薬ですので、その場の症状が一時的に改善するものの、原因となるウイルス感染は悪化します。つまり、副作用や重症化を助長する(医原性の重症化)可能性があります。当院の治療で後遺症や重症化が少ないということは、漢方治療による成果だと考えています。

 基本的にウイルス感染症は、感染力が強い感染症ほど、重症化率が下がります。BA.5の重症化率が低いのは、弱毒化しているためで、ワクチンのおかげではないと考えて良いと思います。

ワクチンについて

 これまでも書いてきましたが、厚労省の意図的とも思える統計操作を修正すると、どうやらワクチン接種によって新型コロナに罹患する率は、1.5倍程度に増加するようです。世界の感染状況を見れば、ワクチン先進国ほど、感染爆発が起こっているのは一目瞭然です。アフリカ、ロシアといったワクチン後進国はあまり広がっていません(普通のカゼ)。残念ながら、ただのカゼが、ワクチンによって異常なカゼになってしまっています。というか、イスラエルという国が人体実験をして世界最悪の感染状況になっているのを見て、なぜ人類が考え直さなかったのかが不思議でなりません。

 

 

 また、感染者数の少なかったアジア諸国においても、国民の80%以上が3回目接種が終わった後に感染爆発が起こっています。その一方で、ワクチンを販売しまくってるアメリカでは、3回目接種が国民の30%にも至っていません。超過死亡の件はまた別の機会に書きますが、昨年は7万人、今年は20万人で日本人死亡者が謎に増えています。僕はワクチンの長期的な副作用による死亡者の増加だと考えていますが、いずれにしても、70歳以下の方のワクチン接種はそもそも必要ありません。西洋医学にはカゼ薬がありません。そのことを忘れずに、自己治癒力をいかに高めるのか。ということを考えることが、いまの人類に必要とされています。先人たちの知恵である漢方薬を用いて、カゼは自分で治してください。

 

 後遺症の治療などに関しては、多岐に渡るので別の機会にかきます。玉屏風散はコロナ後遺症に対しても有効です。お急ぎの方は「つゆくさONLINE」をご利用ください。