「感染予防有効率95%」について

 

 僕は本来、あんまりこういう数字のことを考えることがあまり好きではありません。

 ただ、これだけテレビやメディアで「ワクチンしかない!みんなのために接種しよう!」みたいな世界になってしまうと、お問い合わせも多く、不安になってしまう方が多いのは仕方ないことなので、今日は久しぶりに「科学」についてお話をさせていただきます。

 

 僕はまだ医者になって20年程度の若輩者ではありますが、学生時代からこれまで、西洋医学と東洋医学を適切に併用するということを、常に考えて学んできました。その中で、政府や当時の科学者が率先して行ってきた政策が、大きな過ちだったことをいくつも知ることになりました。

 

 例えば、1950年に日本の生態系を無視して行われた造林臨時措置法花粉症その1(花粉症とコロナ禍に関する西洋医学的な考察))や、1971年の塩業近代化臨時措置法塩について その1)、そして拡大し続けるために建設された原子力発電所とその事故(ごくごく普通の考え方)。種子法や遺伝子組換作物なども含め、政治家や当時の科学者が煽動して後世に傷跡を残した歴史を、私たち日本人は忘れてはいけません。国がやることが必ずしも正しいとは限らないということを、私たちはもっと知るべきです。そしてそのことに責任をとることはほとんどないということです。

 

 花粉症も、高血圧も更年期障害も、そうした国がもたらした悲劇をよそに、西洋医学は対症療法を一生繰り返すという治療の選択を、製薬会社が資本を出資しているような都合の良い科学実験を根拠に、世界中の医師が動かされ続けてきている現状があります。西洋医学はそこまで万能のものではありません。特に西洋医学の風邪薬がないことからもわかるように、その8割以上がウイルス感染である「感冒」に関しては、西洋医学がもっとも不得意とする分野です。(「感冒」について

 

 これらの3つの疾患は、現代病を代表する疾患ですが、その治療や研究に関する問題点と、その解決方法を示した本を、これから中央公論新書から出版します。ワクチンやマスクやらの原因から逃げ回るだけの対症療法の対応に、僕が時間を割いていたせいもあって、だいぶ出版が遅れていますが、刊行された際は、その本を読んでいただければ、西洋医学の限界と、東洋医学的な考察から考えられる上記の3疾患の治療は、今回のコロナ禍と深淵な関係を持っていることが、伝わる内容になっているのではないかと思います。

 

 今回はその流れで、いかに製薬会社資本で行われている研究が、自分に都合の良いように結果を出すことが可能であるのか、ということをお伝えしようと思います。

 

 まずはじめにお伝えしますが、僕は陰謀論者ではありません。科学研究が不自然な結果を示したものであったとしても、その研究者を責めるつもりはありません。彼らも自分の信念を持って、その研究にあたっていると思うからです。

 

 科学研究は、研究者の意思を介入せずに行うことはとても難しいものです。例えば、ガンの研究をしているとき、自分の新薬が世の中を救う!という使命感に燃えていれば、ガンが「大きくなってほしい群」のマウスと、「小さくなってほしい群」のマウスの計測は、毎日0.1~0.3mm程度の有意差を生み出してしまうことは、直径1〜6cm程度の腫瘍の計測には、よくあることなのです。高血圧の研究にしてもそうです。おそらく塩の大国であり続けてきた日本人は、元来血圧を高くすることによって長寿を実現してきました。ところが、日本で行われた日本人のための大規模な研究はほぼありません。研究にはお金が必要なので、なかなかその研究費用が出せないのです。また降圧薬を販売したい製薬会社の研究は、血圧と脳出血・心筋梗塞という極めて限定的な「部分」だけをみた都合の良い研究です。降圧薬の使用によって癌や肺炎といったその「部分」以外の病が増えるというデータがあっても、それを検証したり、誠実に公表したりするよりは、都合の悪いデータを「見ないふり」をするほうが、楽だし、その研究者の生活も安定するのです。ただし、当の本人には、大した悪意はないでしょう。

 

 ワクチンの研究にしても、自分たちの薬が世の中を救うんだ!という使命感がある人たちが、その有効性を求めて、自分の求める結果に向かって、最良の条件でトリミングをすれば、いたるところに「エビデンス」は出せるのです。

 

 マスクにしてもそうです。みなさんも嫌と言うほど痛感していると思いますが、マスクはどう考えても、からだやこころにとって悪すぎることは明らかです(当院のマスクに対する考え方について)。一方で、マスクで金儲けをしようという人は少ないでしょうが、マスクをテレビにまで出て推奨しているような人たちは、本気でマスクは体に良いと信じている人なので、自分たちの主張を肯定するために、いたるところから「部分」を抽出し、都合の良い「エビデンス」を集めてくることはいくらでもできます。特に、頭脳明晰で知識が豊富だという自負がある高学歴の方は、自分の判断基準が自分の「野性」よりも「情報」に依存しやすい(簡単に言えば自分の感覚で考える能力が退化してしまっている)ために、そうした都合の良いエビデンスに動かされやすいという現状があります(「野性と文字情報」)。だから、オウム真理教に高学歴者が集まるように、世の権力者の方々が、そうした「情報」に動かされやすくなってしまうのです。それが科学を利用した大きな過ちの根源だと僕は思っています。

 

 「感染予防有効率95%」の論文に関しての詳細は、一番最後に書きますが、さまざまな不自然な点があり、もともとこれまでの医学史上から考えても、あまりに異常なほどの有効率なので、当初から「あらあら、また大層な嘘をつくりだしちゃってるなぁ〜」という感じで見ていました。科学は「部分」を見て「全体」を見失うことが多いのが問題点です。「感染予防有効率95%」は典型的な科学の不正利用の象徴として、今後の歴史に名を刻むでしょう。

 

 簡単に言うと、4万人をワクチン接種者とプラセボ接種者に無作為に分けて、2週間以降にCOVID-19を発症した人が8人:167人であったから95%の有効率と出た実験です。しかし、分析から外された症例が371例(ワクチン群311とプラセボ群60)もあり、その除外例の数が5倍もあることは不自然です。また、症状はあったがPCRでは陽性に出ず「疑い症例」とされてる人数が3410例もいて、これらの数字を修正して計算すると、有効率は19%までに落ちると、NATUREやSCIENCEといった雑誌と同等のインパクトファクターを持つ医学誌BMJ(British Medical Journal)の副編集長がホームページで指摘しています。残念ながら原文は削除されてしまっています。(詳細が知りたい方は最後に本間先生の記事を転載したのでご確認ください)

 

 ただ、ここで重要なのは、その論文がどの程度正しいのか。ということではありません。冒頭で説明したとおり、研究者の方々は、自分が開発した「ワクチンで世界を救おう!」という使命感に燃えていることでしょう。なんとか広めたい。そのために有用なデータの出し方があれば、是が非でもなんとか結果を出したい。その結果が「感染予防有効率95%」という、どう考えても異常に効きすぎるワクチンにしたてあげてしまったのです。

 

 大切なことは、ワクチン先進国の現状を見れば、ワクチンが効いていないことは明らかであるという事実です。もし人体実験の段階で、いまの現状があれば中止するのが普通でしょう。死亡者も相当数出ているし、環境汚染もはなはだしい。3回も4回もワクチンを接種してる国々が、他の自然感染の地域よりも経過が悪いのは明らかです。また、さまざまな調査データの中で、国全体の感染者数や死亡者数という数は、簡単に科学的手法で取り繕えることのできないような(もちろんアメリカのようにワクチンを接種してる人はPCR検査をしない。というような暴挙で修正することはできますが、少なくとも製薬会社が調整しやすいデータではありません)、数あるデータの中でも割と操作のしようがない信頼のできるデータと言って良いでしょう。それが前回の記事で見た3ヶ国の感染者数のグラフです。

イスラエル(900万人のうち1日1万人感染)接種率60%

日本換算で1日15万人

イギリス(6665万人のうち1日3〜4万人感染)接種率67%

日本換算で1日8万人

インド
ワクチン接種率8%で国民の7割が抗体を獲得
 

 これまでの西洋医学の治療の問題点を注視し続けてきた僕には、現在のワクチン先進国のこの状況がなんとなく予想できていました。だからこそ、10月まで様子をみてください。とお伝えしてきたのです。ここまで待っていただいた方は、この冬の上記3カ国の感染状況をみて、最終判断としても良いのではないでしょうか。いま接種するのは、やはり時期尚早だと思います。そんなに死ぬ病ではないし、そんなに効くワクチンではなさそうだからです。

 

 「感染予防有効率95%」は変異株の前のデータだ。というのであれば、それは当たり前のように起こるウイルスの変異に対して、ワクチンがその場しのぎの対症療法であるということの証明でもあります。最近の微妙な有効率の低下は、さすがに最初の95%が「やりすぎちゃった」感を認めた感がありますかね。95%はどう考えてもトリミングの操作を施した、製薬会社に都合の良いエビデンスにしか僕には見えません。

 

 何にせよ、現在のワクチンの報道は、相当偏っています。年間死亡者1万人程度の病に、大した実験段階も経ずに、数千人の死亡者が出ている治療(しかも1ヶ月程度の短期的な副作用の報告のみです。ほとんどが血管系の死因なのに、因果関係がないわけがありません。全身に行くmRNAが血管以外の部位にも影響を及ぼすことは、そうでない確率のほうが圧倒的に低いです。)が、全世界の7割に勧められるような良い治療だと思いますか?

 

 ワクチン先進国で良い結果が出ていれば、僕も患者さんにワクチン接種を勧めます。ところが、現実は変わらないどころかむしろ悪い結果が出ています。今年の冬にもう一度世界中で新型コロナの流行が訪れるでしょう。PCR検査の問題点やワクチン接種の無力さが露呈され、有効な治療薬が開発されることで、コロナ禍も馬鹿騒ぎだったなぁという日が来ると願っています。

 

 新興感染症には漢方薬が有効です(新興感染症こそ漢方治療)。インフルエンザと同様、バンバン命を落とすような感染症ではないので、かかったらしっかり治せば大丈夫です。風邪薬は西洋薬にはなく、漢方薬には無数にあります。「ワクチンしかない!」という思い込みを捨てて、普通に健康的に、ちゃんとした生活を優先させましょう。

 

 最後にファイザーの論文について、雑誌クーヨンで連載をされている本間真二郎先生の記事が非常によくまとまっていて分かりやすいので転載させていただきます。

 

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 世界で最も権威のある医学雑誌の一つとして有名なBMJ(British Medical Journal誌)がホームページでファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの高い有効性に対する疑問を表明しています。

 https://blogs.bmj.com/…/peter-doshi-pfizer-and…/(原文が削除されています)

 ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の報告論文は以下になります。

 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2034577

 

 疑問を表明しているのはBMJの副編集長であるPeter Doshi博士で、以下のいくつかの点について、早急に生のデータの公開が必要としています。

 

① covid-19疑い例が大量に削除されている

 

 最終結果で、PCRで確認されたcovid-19症例は170例(ワクチン群8とプラセボ群162)であった。これにより95%以上という劇的な有効性を示している。

 

 この結果にはcovid-19の疑い例(covid-19の症状はあったがPCRで確認できなかった例)が削除されている。この疑い例が合計3410例(ワクチン群1594、プラセボ群1816)と確認例の20倍にも達している。疑い例を含んで計算し直すと、ワクチンの有効率は約19%にまで低下する。

 

②分析から除外された371例が不自然である

 

 最終的に分析から371例が除外されている(ワクチン群311とプラセボ群60)。 ランダム化されたグループであるはず(つまり同じくらいの数になるはず)なのになぜ5倍もの違いがあるのか?全く不自然である。

 

③発熱および鎮痛薬、非盲検化など

 

 解熱剤などの治療薬の使用はcovid-19症例の検出を見逃してしまう可能性が高い。実際にはワクチン群で非ワクチン群の3~4倍使用されていたが、この違いにより結果に影響を及ぼしている可能性がある。

 

 また、この結果は、適切に盲検化(結果を公正に判断するために打った人も打たれた人も接種がワクチンかプラセボかのどちらであるかを知らないこと)されたとは思われない。

 

④Covid-19既感染者が含まれている?

 

 ファイザー社の報告書を基にした博士の独自の計算によると、ベースラインでSARS-CoV-2陽性の人々(つまり既感染)から確認された症候性のCovid-19の8例を報告したと思われる(ワクチン群1、プラセボ群7 )。

 

 世界中での再感染の報告が今のところ4~31例しかいないのに、試験総数わずかに数万人、追跡期間2ヶ月で9人もの再感染が確認されたことになるのか?また、これを含めた解析データは信用に値するのか?

 

つまり、たとえ今回のファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの有効率が論文の報告通り95%以上ととても高くても、この数字は、発症しなかったほとんどの人の評価が含まれていません。そして、実際ワクチン試験中のほとんどの人は発症していません。

 

 今回のPeter Doshi博士の疑問は、ファイザー社の医学論文ではなく、ファイザー社がFDA(米食品医薬品局)に提出した報告書の独自の解析から生じた疑問を書いています。とても専門的な分析になりますが、もしかしたら、実際の有効率は報告よりかなり低い可能性があることを示しています。

 

 ファイザー社のこのワクチンは、現在世界中でもっとも注目され、実際に非常にたくさんの人に投与されることになるワクチンになりますので、もっとも慎重に調査、報告、査読、検証されなければなりません。開発元のファイザー社は、もちろん誠実に答える必要があるでしょう。